私がこのぐらいの季節になったら何となく行うのが、時計のバンド交換。
これみんな意外とやらないけど、面白ですよ。時計をいくつか持っている人、良い時計を持っている人には是非オススメしたい。ガラッと雰囲気も変わるし、ちょっと小技が聞いてる感じがしてコーディネートの幅も広がる。
基本的に男の場合、余りゴテゴテしたアクセサリーを付けることもないので(私は意外と付けますが 笑)時計はやはり見た目のポイントになる。普通の人はそんなに本数持ってないだろうから現実味無いと思うけど、何本か持ってると色バリエーションを増やしておいて、その日のコーディネートに合わせて時計を選んだりすることも多い。後はビジネスマンの場合、ダブルカフスと時計の色系統を合わせるというのも中々面白い。
まあ、そんなに本数を持って無くても、おそらく「好きな系統の色」というのは皆さんあって、気がついたら黒が多い、とかあると思う。そう言う洋服の色と、「喧嘩しないけど引き立つ色の系統のバンド」とかにしておくと、ほどよく存在感を主張して面白い。まぁ、その辺のカラー系の話はまたそのうちするかも。
もう一つの利点が、革バンドのローテーション。そもそも、やはり革のバンドは夏に汗をかいてしまうと極端に痛む。最近のDバックル系だとまだマシだが、普通の尾錠だとどうしても穴周辺がかなりやられてくる。
そこで私は、
暑い時期:ラバーやステンレス系のバンド or ちょっとカラーを伴ったあまり高くないカーフバンド
涼しい時期:純正バンド or 革系のバンド
と使い分けることにしている。
特にラバー系のバンドはカラフルなカラーもあり、時計が前面に押し出される夏の薄着時にはちょっとしたアクセントになる。また、値段もものによるが普通2,500~3,500円、尾錠とかに凝ってて高いモデルでも4,000~5,000円と、純正のバンドなどに比べるとケタ一つ安い。
また、最近パネライはもちろん、ウブロにしろ、ブルガリにしろ、カルティエにしろ、デフォルトで「ラバーバンド」という選択肢を出してきているメーカーも多い。カラーバリエーションを打ち出しやすいので良いのだろうか。
ラバーは意外と耐久性が無く、2,3年も使うとゴムが硬化してきたり、千切れてきたりとあるので、基本的に1~2シーズンで使い捨てのつもりで。色も悪くなってくるし。
メーカー純正の状態にこだわりたいと言う人も居るようだが、まぁ、別に時計本体をいじる訳じゃないし。バンドの色を変えると時計の表情は驚くほどガラッと変わるので、ちょっと良い時計をお持ちの方は是非試して欲しい。良い時計こそそう言う遊びに耐えうるデザインを持っているので、新たな一面が見えて面白い。
◆そもそもどうやって交換するのか?
時計のバンドは、バネ棒というスプリング状のつっかえ棒のような物で固定されている。これの端を引っかけて頭を下げてやり、穴から取り出せば外れる。構造が解ってしまえば至ってシンプル。バネ棒外しというツールがあるのでそれを利用すれば簡単に外すことができる。また、カミーユフォルネ社のようにワンタッチで外れる特殊バネ棒を採用しているバンドもあるので、そちらの場合は手作業のみでも簡単に外せる。
◆バンドのサイズ
あえて書くほどでもないが一応。時計のバンドには「サイズ」という物がある。バンドを丸ごと交換する場合は基本的にケースの取り付け台座の幅を見ておけばいいが、尾錠を純正品使う場合などは当然尾錠側の幅もしっかりと見る事(特にブライトリングは独自規格が多い)
多くのメンズの時計は18か20mmだが、希に22mmや24mmが存在する。きちんと図ってから購入しよう。時計を何本か持ってる人の場合、この幅が同じである限り基本的に付け替えが可能である(カルティエのパシャなどごく希にオリジナルの形の物があるが)色々ストックして、付け替えて見ると面白い。
◆選ぶ際のポイント
さて。一番楽しくも、付けてみないと想像がつかないのが「実際にどのような色・形を選ぶか」だ。実際今付けている標準のものと近しい物であれば想像がつくが、全く異なる色・デザインの場合正直なところ付けてみるまで何とも言えない。まぁ、それが楽しみでもあるわけだが・・・。
だが、いくつかの法則が存在するので、それをまとめておこうと思う。
時計のバンドを選ぶ際に考慮するのが、「色」と「質感」の2点。
【色の選び方について】
時計の本体をパッと見渡すと(バンドを外してからの方が解りやすいので一旦バンドを外した方が良い)パッと目立つ「色」があると思う。多くの時計は文字盤がそれに当たると思うが、時計によってはケースだったり、特殊な色使いをしている場合短針・長針・秒針だったりする。
これらのポイントとなる色と、バンドの色を合わせる、あるいは親和性の高い色にするのがポイント。
【質感の選び方について】
こちらも同じく時計の本体を見て、質感の方向性を見る。質感というのは、例えばポリッシュが掛かって光沢があるケースや文字盤なのか、半光沢なのか、あるいはマットなのか・・・。
これらの質感を見る。
時計のバンドにも質感があり、時計の質感とバンドの質感のマッチングを考える。
は虫類系:多くの物が表面がてかっており、光沢がある
カーフ系:光沢の物もマットな物もある
コードバン系:光沢がある
ラバー系:基本的にはマット系(ただ、基本的になにに付けてもラバーは合う)
本体の質感とバンドの質感を合わせれば落ち着いた系統になるし、逆に合わせなければ「時計が際立つ」あるいは「バンドが際立つ」と言うことになる。
時計の持っている色の方向性とバンドの色を喧嘩させるのはなかなか難易度が高く、失敗する可能性が高いので際立てに関しては質感で行った方が無難にまとまりやすい。
◆Dバックル系のバックルのススメ
写真のような、Dバックルというバックル方式の金具がある。ステンレスの時計のようにぱちっと付け外しできるのを、革のベルトでやってしまおうという尾錠の一種。
最近の高級時計はこれが多いが、これは非常に優れている。まず一つ目は脱着が簡単。そして、尾錠のように革をこじって外すことがないので、革を痛めない。この革を痛めないというのが凄く重要で、尾錠だとある程度丁寧に使っていても2,3年でどうしても使う穴周辺が痛んでくる。
Dバックルだと穴周辺のヘタリが少ないので、リアルな話、数年単位でバンドの持ちが変わってくる。私も、手持ちの時計の純正のバンドなんかでもDバックルに替えてしまったりしている。
Dバックルは時計メーカーや時計ショップのオリジナルなどもあり、シルバーの光沢・半光沢、黒、ローズ、ゴールド、など色々な色バリエーションがある。ただ、いくつかの革バンドや時計で無難に使い回すことを考える場合、シルバーがお勧めである。
◆「慣れ」の問題
最後に一つ。
時計バンドの交換は、初めてで、しかも純正バンドとは方向性を変えた物を選ぶと多くの人は「失敗したかな!?」と思う。(特に高い時計であればあるほど統一感が良いので、そう思う)実際に私もそう思った。
ただ、これは「純正バンドでの慣れ」から来る物で、実際は数日付けてると「意外と悪くないか」となってくる。1度交換に慣れてしまうと、後は選び方もうまくなるし、割と面白くなると思う。最初は「あれ?」と思うかもしれないが、気にしないことが重要。良いデザインの時計ほど、どんなバンドでも結局あってしまう。
◆ブランド紹介
【モレラート MORELLATO】
時計バンド専門のメーカー。元々時計メーカーにバンド供給とかを行っているメーカーなので、作りはかなりしっかりしている。また、オリジナルの時計バンドはラインナップも広く、選択肢も多い。私は基本的には遊びのバンドはモレラートから探し、どうしてもイメージにない物だけ他を探す。
品質に関しては、中程度。絶対的に見れば別に決してよくはないが、コストパフォーマンスから考えると良いと思う。やはり、遊び用のバンドだ。特に型押しの革(牛革に型押ししてそれっぽく見せるフェイクレザー)を多く用意しており、クロコダイル等の高価なは虫類系のベルトを買うのはちょっと・・・と言う人にはオススメできる。純正クロコとかパイソンも安い。
【カミーユフォルネ CamilleFournet】
こちらも同じく時計バンド専門のメーカー。フランスならではの実に作りの綺麗なベルトである。このブランドの特徴は、全商品に(確か)アビエシステムという簡単にベルト交換ができるシステムが搭載されている事。まぁ、通常のバネ棒でもバネ棒外し持ってれば簡単なんだけど、より簡単に付け替えることができる。おそらく、ネクタイを結ぶより短時間にできる。
ネクタイを選ぶようにファッションコーディネートに合わせて時計のバンドを選ぶって言うのも中々洒落ていて良いではないか。
品質に関しては、モレラートより少しできが良い。その分値段も13,000~50,000万ぐらいと高いけど。ただ、純正ベルトと同等あるいはそれ以上の作りなので、純正ベルトがへたってきて、それを交換する時の「メイン」としてはお勧め。色の出もモレラートより綺麗な物が多い。
また、クロコダイルやアリゲーターはもちろん、パイソン、リザード、テジューなど特殊革も多く、その点も面白い。まぁ、特殊な革になるとその分値段も上がってしまうのだが、やはりアリゲーターやクロコダイルの皮は重厚に決めたい時はこれ以上ないアイテムになる。
革自体の質も、面の取り方も非常に綺麗なので、は虫類系の本格的なバンドを買う時はモレラートよりはフォルネを選んだ方が失敗はしないと思う。
【ヒルシュ Hirsch】
オーストリアの時計バンドメーカー。ヒルシュのバンドは使ったことがないので何とも言えないが、ラバーバンドとかは先進的なDバックルタイプの物を出している。だが、ちと高い。
ただ、かなり良いラバーバンドを作っているらしいので、一度は使ってみたいものだ。
【バンビ BAMBI】
レザーのみならずステンレス系もかなり色々なバンドを取り扱っており、選択肢としては一番多いかもしれない。また、変な規格モノ?をやっていて、私も「松坂牛」の革を使ったと言うのを勢いで買ってしまった 笑
なぜ松坂牛・・・と言う話もあるのだが、これには実は面白い話がある(半分推測だが)。実際、食用牛の皮は悪くない。まして、松坂牛ほど丁寧に育てられた牛ならば、かなり良い革である。ただ、問題なのは食用牛は肉の歩留まりがよくなるように肉優先で加工するため、実際には皮がかなり傷んだり、細切れになったりして一般的な革製品に使えるほど大きな面がとれない事が多い。だが、時計のバンドは使う大きさもたかがしれているので、使い勝手と名前のおもしろさ的にはベストだろう。
とまあこんな感じ。
ショップは検索すれば色々出てくるけど、使ったことあるショップを一応。
時計バンド・時計ベルト・時計専門店 mano a mano
余談だが、丁度この原稿を書いている時に時計屋ネットにツイッターでフォローされた。なんでフォローされたのか謎なのだが・・・。まあ、ツイッターのプロフィールに時計が趣味的な事を書いていたからだろうか。まだ公開前の原稿の時だったので、余りの偶然にびっくりした。
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