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2010年3月8日月曜日

Polka Dots And Moonbeams



ダンスパーティーが庭でひらかれていたんだ。
誰かがドシンとぶつかって、「あら、ごめんなさい」って言う声が聞こえた。
目に飛び込んで来たものは水玉模様と月の光。
鼻がツンと上をむいたその娘に僕の目は眩んでしまって、もうたちまち夢中さ。

音楽が始まって、僕はためらっていた。
でも、はずむ息を抑えて、思い切って言ったんだ。「一曲踊ってくださいませんか?」って。
そしたらおどろいたことに、その娘は僕の腕の中に入ってきて、
その時、水玉模様と月の光とツンと上をむいた鼻が、
僕のおどおどした腕の中でパチパチッとスパークしたんだ。

僕達が踊りながら漂っていると、他の連中は、「おいおい、どうなるんだ」って目で僕らを見ていた。
うん、たしかに彼等の目はそう言っていた。でも、僕にはもう答えがわかっていたんだ。
そして多分、答え以上のものが。

つまり、今、僕はライラックの花と笑いに満ちた家にいて、
「Ever After」っていう言葉の意味を知っているってことさ。
そして、これから「ツンと上を向いた鼻」にキスするたびに、
あの「水玉模様と月の光」のことを、きっといつも思い出すんだろうなぁ。


Jazzのスタンダード「Polka Dots And Moonbeams」。
Bill Evansがプレイしたこの曲は、ひときわメロディが美しい。





そう言えば、自分がJazzを聞くようになったのはいつからだろうか。特に衝撃的な出会いがあったとかいう記憶は無いんだが、オーディオにこりり始めると同時になんか気がついたらJazzを聞くようになっていた。父親がよく聞いていたからCDが割とあったっていうのもあるのかもしれない。

Jazzにはスタンダードと呼ばれる曲がある。
誰でも知っている、まさに「スタンダード」な曲だが、中でもJazzのスタンダードの場合「誰もが演奏する」というのがポイントだと思う。これは、スタンダードと呼ばれる曲の多くが、元々はJazzの曲ではなく、1900年代前半のブロードウェイのミュージカルやハリウッドの映画音楽である場合が多く、昨今のように「誰かの持ち歌」的な要素があまり無いからだろうか。Popsとかではあまりないけど、これが面白い。

①ものすごい数の「名演」がある
Jazzは即興演奏が売り。同じ演奏者でも、回毎に全く違う解釈で演奏する事もしばしば。それが、さらに大勢のプレイヤーの数だけある。ほんと、スタンダードと呼ばれる名曲だと星の数ほどあると言っても過言じゃない。まぁ、録音とかがしっかり残って今の時代まで伝えられてるのは少ないけど、そのぶん本当に名演が多い。
同じ曲なのに人によってこうも違うものか!という楽しみは、なかなか他の音楽では無いと思う。
Polka Dots And Moonbeamsも、いくつもの名演がある。Youtubeで見かけた中で自分が好きな演奏者のをピックアップしてみた。


Glenn Miller(グレン・ミラー)
後から考えると、おそらくこれが歌詞のイメージには一番近いのかな。グレンミラーによるBigBandJazz。



Hampton Hawes(ハンプトン・ホーズ)
なぜか日本ではあんまり評価されてない時代のミゾにはまってしまっている人。シンプルで美しいメロディ回しは素晴らしいし凄く好きだけど、なぜか評価が低い。評論家には受けないから評価されないのではないかと言われている。他の曲でもこの人のプレイは明朗快活なケースが多く、聞きやすい。でも、初期の頃は好きだったけど、最近聞かなくなったなぁ・・・。そう言う事なのだろうか・・・。



Bud Powell(バド・パウエル)
バドパウエルはどっちかというとこの人は「クレオパトラの夢」とかそう言う濃厚な曲のイメージが強いが、こういう曲も良いと思う。ビルエバンスと対極にあるような力強いタッチ。でも、音の余韻が実は凄く綺麗。このコントラストはバド・パウエルならではだなー。




②そもそもVocal曲である事が多い。
元がミュージカル曲が多いため、Jazzのスタンダードは意外と元をたどるとヴォーカル曲であることが多い。ポルカドッツアンドムーンビームスも、自分が知ったのはBill Evansのピアノだったが、後々になってみるとボーカル曲だったことを知った。
こういう出会いが多いため、Jazzスタンダードには面白い現象が起きる。


自分の中では、最初このPolka Dots And Moonbeamsはどこかもの悲しい、今まさに天寿を全うしようとしている老人が過去を思い出しているような、そんなちょっと悲しいイメージだった。ところが、歌詞を見ているとどうもそうでもない。昔を思い返してると言う所は割と当たってるが、単に奥さんとの出会いを思い返しているのろけ話だ。
最初歌詞を見た時はちょっと面食らったが、でも改めて聞いてみると確かにそんな暖かい感じが溢れてくるから不思議。

私だけではなく、Jazzのスタンダードが好きな人はこういう現象にしばしば突き当たる事があるようだ。

こういう意表を突いた出会いがあるので、最近では好きなスタンダードの演奏が出てきても、あえて歌詞を調べることはしないで暫く放っておく事にしている。何年かがかりで楽しめる良い“遊び”だ。

ボーカルバージョンはElla Fitzgeraldのが好きなんだけど、Youtubeには無いっぽいな。


こういう楽しみ方ができるのもJazzならでは。皆さんもよかったら是非!

そういえばこんなものやっていたな。。。

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