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2010年3月23日火曜日

時計のバンドで遊ぶ

さてさて。ずいぶん春らしい陽気になってきた。
私がこのぐらいの季節になったら何となく行うのが、時計のバンド交換。

これみんな意外とやらないけど、面白ですよ。時計をいくつか持っている人、良い時計を持っている人には是非オススメしたい。ガラッと雰囲気も変わるし、ちょっと小技が聞いてる感じがしてコーディネートの幅も広がる。



基本的に男の場合、余りゴテゴテしたアクセサリーを付けることもないので(私は意外と付けますが 笑)時計はやはり見た目のポイントになる。普通の人はそんなに本数持ってないだろうから現実味無いと思うけど、何本か持ってると色バリエーションを増やしておいて、その日のコーディネートに合わせて時計を選んだりすることも多い。後はビジネスマンの場合、ダブルカフスと時計の色系統を合わせるというのも中々面白い。

まあ、そんなに本数を持って無くても、おそらく「好きな系統の色」というのは皆さんあって、気がついたら黒が多い、とかあると思う。そう言う洋服の色と、「喧嘩しないけど引き立つ色の系統のバンド」とかにしておくと、ほどよく存在感を主張して面白い。まぁ、その辺のカラー系の話はまたそのうちするかも。

もう一つの利点が、革バンドのローテーション。そもそも、やはり革のバンドは夏に汗をかいてしまうと極端に痛む。最近のDバックル系だとまだマシだが、普通の尾錠だとどうしても穴周辺がかなりやられてくる。

そこで私は、

暑い時期:ラバーやステンレス系のバンド or ちょっとカラーを伴ったあまり高くないカーフバンド
涼しい時期:純正バンド or 革系のバンド

と使い分けることにしている。

特にラバー系のバンドはカラフルなカラーもあり、時計が前面に押し出される夏の薄着時にはちょっとしたアクセントになる。また、値段もものによるが普通2,500~3,500円、尾錠とかに凝ってて高いモデルでも4,000~5,000円と、純正のバンドなどに比べるとケタ一つ安い。

また、最近パネライはもちろん、ウブロにしろ、ブルガリにしろ、カルティエにしろ、デフォルトで「ラバーバンド」という選択肢を出してきているメーカーも多い。カラーバリエーションを打ち出しやすいので良いのだろうか。
ラバーは意外と耐久性が無く、2,3年も使うとゴムが硬化してきたり、千切れてきたりとあるので、基本的に1~2シーズンで使い捨てのつもりで。色も悪くなってくるし。

メーカー純正の状態にこだわりたいと言う人も居るようだが、まぁ、別に時計本体をいじる訳じゃないし。バンドの色を変えると時計の表情は驚くほどガラッと変わるので、ちょっと良い時計をお持ちの方は是非試して欲しい。良い時計こそそう言う遊びに耐えうるデザインを持っているので、新たな一面が見えて面白い。



◆そもそもどうやって交換するのか?
時計のバンドは、バネ棒というスプリング状のつっかえ棒のような物で固定されている。これの端を引っかけて頭を下げてやり、穴から取り出せば外れる。構造が解ってしまえば至ってシンプル。バネ棒外しというツールがあるのでそれを利用すれば簡単に外すことができる。また、カミーユフォルネ社のようにワンタッチで外れる特殊バネ棒を採用しているバンドもあるので、そちらの場合は手作業のみでも簡単に外せる。


◆バンドのサイズ
あえて書くほどでもないが一応。時計のバンドには「サイズ」という物がある。バンドを丸ごと交換する場合は基本的にケースの取り付け台座の幅を見ておけばいいが、尾錠を純正品使う場合などは当然尾錠側の幅もしっかりと見る事(特にブライトリングは独自規格が多い)
多くのメンズの時計は18か20mmだが、希に22mmや24mmが存在する。きちんと図ってから購入しよう。時計を何本か持ってる人の場合、この幅が同じである限り基本的に付け替えが可能である(カルティエのパシャなどごく希にオリジナルの形の物があるが)色々ストックして、付け替えて見ると面白い。


◆選ぶ際のポイント
さて。一番楽しくも、付けてみないと想像がつかないのが「実際にどのような色・形を選ぶか」だ。実際今付けている標準のものと近しい物であれば想像がつくが、全く異なる色・デザインの場合正直なところ付けてみるまで何とも言えない。まぁ、それが楽しみでもあるわけだが・・・。
だが、いくつかの法則が存在するので、それをまとめておこうと思う。





時計のバンドを選ぶ際に考慮するのが、「色」と「質感」の2点。

【色の選び方について】
時計の本体をパッと見渡すと(バンドを外してからの方が解りやすいので一旦バンドを外した方が良い)パッと目立つ「色」があると思う。多くの時計は文字盤がそれに当たると思うが、時計によってはケースだったり、特殊な色使いをしている場合短針・長針・秒針だったりする。
これらのポイントとなる色と、バンドの色を合わせる、あるいは親和性の高い色にするのがポイント。

【質感の選び方について】
こちらも同じく時計の本体を見て、質感の方向性を見る。質感というのは、例えばポリッシュが掛かって光沢があるケースや文字盤なのか、半光沢なのか、あるいはマットなのか・・・。
これらの質感を見る。

時計のバンドにも質感があり、時計の質感とバンドの質感のマッチングを考える。

は虫類系:多くの物が表面がてかっており、光沢がある
カーフ系:光沢の物もマットな物もある
コードバン系:光沢がある
ラバー系:基本的にはマット系(ただ、基本的になにに付けてもラバーは合う)

本体の質感とバンドの質感を合わせれば落ち着いた系統になるし、逆に合わせなければ「時計が際立つ」あるいは「バンドが際立つ」と言うことになる。
時計の持っている色の方向性とバンドの色を喧嘩させるのはなかなか難易度が高く、失敗する可能性が高いので際立てに関しては質感で行った方が無難にまとまりやすい。


◆Dバックル系のバックルのススメ


写真のような、Dバックルというバックル方式の金具がある。ステンレスの時計のようにぱちっと付け外しできるのを、革のベルトでやってしまおうという尾錠の一種。

最近の高級時計はこれが多いが、これは非常に優れている。まず一つ目は脱着が簡単。そして、尾錠のように革をこじって外すことがないので、革を痛めない。この革を痛めないというのが凄く重要で、尾錠だとある程度丁寧に使っていても2,3年でどうしても使う穴周辺が痛んでくる。
Dバックルだと穴周辺のヘタリが少ないので、リアルな話、数年単位でバンドの持ちが変わってくる。私も、手持ちの時計の純正のバンドなんかでもDバックルに替えてしまったりしている。

Dバックルは時計メーカーや時計ショップのオリジナルなどもあり、シルバーの光沢・半光沢、黒、ローズ、ゴールド、など色々な色バリエーションがある。ただ、いくつかの革バンドや時計で無難に使い回すことを考える場合、シルバーがお勧めである。


◆「慣れ」の問題
最後に一つ。
時計バンドの交換は、初めてで、しかも純正バンドとは方向性を変えた物を選ぶと多くの人は「失敗したかな!?」と思う。(特に高い時計であればあるほど統一感が良いので、そう思う)実際に私もそう思った。
ただ、これは「純正バンドでの慣れ」から来る物で、実際は数日付けてると「意外と悪くないか」となってくる。1度交換に慣れてしまうと、後は選び方もうまくなるし、割と面白くなると思う。最初は「あれ?」と思うかもしれないが、気にしないことが重要。良いデザインの時計ほど、どんなバンドでも結局あってしまう。


◆ブランド紹介
【モレラート MORELLATO】
時計バンド専門のメーカー。元々時計メーカーにバンド供給とかを行っているメーカーなので、作りはかなりしっかりしている。また、オリジナルの時計バンドはラインナップも広く、選択肢も多い。私は基本的には遊びのバンドはモレラートから探し、どうしてもイメージにない物だけ他を探す。

品質に関しては、中程度。絶対的に見れば別に決してよくはないが、コストパフォーマンスから考えると良いと思う。やはり、遊び用のバンドだ。特に型押しの革(牛革に型押ししてそれっぽく見せるフェイクレザー)を多く用意しており、クロコダイル等の高価なは虫類系のベルトを買うのはちょっと・・・と言う人にはオススメできる。純正クロコとかパイソンも安い。


【カミーユフォルネ CamilleFournet】
こちらも同じく時計バンド専門のメーカー。フランスならではの実に作りの綺麗なベルトである。このブランドの特徴は、全商品に(確か)アビエシステムという簡単にベルト交換ができるシステムが搭載されている事。まぁ、通常のバネ棒でもバネ棒外し持ってれば簡単なんだけど、より簡単に付け替えることができる。おそらく、ネクタイを結ぶより短時間にできる。
ネクタイを選ぶようにファッションコーディネートに合わせて時計のバンドを選ぶって言うのも中々洒落ていて良いではないか。

品質に関しては、モレラートより少しできが良い。その分値段も13,000~50,000万ぐらいと高いけど。ただ、純正ベルトと同等あるいはそれ以上の作りなので、純正ベルトがへたってきて、それを交換する時の「メイン」としてはお勧め。色の出もモレラートより綺麗な物が多い。

また、クロコダイルやアリゲーターはもちろん、パイソン、リザード、テジューなど特殊革も多く、その点も面白い。まぁ、特殊な革になるとその分値段も上がってしまうのだが、やはりアリゲーターやクロコダイルの皮は重厚に決めたい時はこれ以上ないアイテムになる。

革自体の質も、面の取り方も非常に綺麗なので、は虫類系の本格的なバンドを買う時はモレラートよりはフォルネを選んだ方が失敗はしないと思う。


【ヒルシュ Hirsch】
オーストリアの時計バンドメーカー。ヒルシュのバンドは使ったことがないので何とも言えないが、ラバーバンドとかは先進的なDバックルタイプの物を出している。だが、ちと高い。
ただ、かなり良いラバーバンドを作っているらしいので、一度は使ってみたいものだ。


【バンビ BAMBI】
レザーのみならずステンレス系もかなり色々なバンドを取り扱っており、選択肢としては一番多いかもしれない。また、変な規格モノ?をやっていて、私も「松坂牛」の革を使ったと言うのを勢いで買ってしまった 笑
なぜ松坂牛・・・と言う話もあるのだが、これには実は面白い話がある(半分推測だが)。実際、食用牛の皮は悪くない。まして、松坂牛ほど丁寧に育てられた牛ならば、かなり良い革である。ただ、問題なのは食用牛は肉の歩留まりがよくなるように肉優先で加工するため、実際には皮がかなり傷んだり、細切れになったりして一般的な革製品に使えるほど大きな面がとれない事が多い。だが、時計のバンドは使う大きさもたかがしれているので、使い勝手と名前のおもしろさ的にはベストだろう。



とまあこんな感じ。
ショップは検索すれば色々出てくるけど、使ったことあるショップを一応。

時計バンド・時計ベルト・時計専門店 mano a mano



余談だが、丁度この原稿を書いている時に時計屋ネットにツイッターでフォローされた。なんでフォローされたのか謎なのだが・・・。まあ、ツイッターのプロフィールに時計が趣味的な事を書いていたからだろうか。まだ公開前の原稿の時だったので、余りの偶然にびっくりした。

2010年3月18日木曜日

しまった

なんか微妙に忙しくて意外と間が空いてしまった。
毎日更新してるタレントとか、仕事とは言え偉いよなーほんと。

2010年3月8日月曜日

Polka Dots And Moonbeams



ダンスパーティーが庭でひらかれていたんだ。
誰かがドシンとぶつかって、「あら、ごめんなさい」って言う声が聞こえた。
目に飛び込んで来たものは水玉模様と月の光。
鼻がツンと上をむいたその娘に僕の目は眩んでしまって、もうたちまち夢中さ。

音楽が始まって、僕はためらっていた。
でも、はずむ息を抑えて、思い切って言ったんだ。「一曲踊ってくださいませんか?」って。
そしたらおどろいたことに、その娘は僕の腕の中に入ってきて、
その時、水玉模様と月の光とツンと上をむいた鼻が、
僕のおどおどした腕の中でパチパチッとスパークしたんだ。

僕達が踊りながら漂っていると、他の連中は、「おいおい、どうなるんだ」って目で僕らを見ていた。
うん、たしかに彼等の目はそう言っていた。でも、僕にはもう答えがわかっていたんだ。
そして多分、答え以上のものが。

つまり、今、僕はライラックの花と笑いに満ちた家にいて、
「Ever After」っていう言葉の意味を知っているってことさ。
そして、これから「ツンと上を向いた鼻」にキスするたびに、
あの「水玉模様と月の光」のことを、きっといつも思い出すんだろうなぁ。


Jazzのスタンダード「Polka Dots And Moonbeams」。
Bill Evansがプレイしたこの曲は、ひときわメロディが美しい。





そう言えば、自分がJazzを聞くようになったのはいつからだろうか。特に衝撃的な出会いがあったとかいう記憶は無いんだが、オーディオにこりり始めると同時になんか気がついたらJazzを聞くようになっていた。父親がよく聞いていたからCDが割とあったっていうのもあるのかもしれない。

Jazzにはスタンダードと呼ばれる曲がある。
誰でも知っている、まさに「スタンダード」な曲だが、中でもJazzのスタンダードの場合「誰もが演奏する」というのがポイントだと思う。これは、スタンダードと呼ばれる曲の多くが、元々はJazzの曲ではなく、1900年代前半のブロードウェイのミュージカルやハリウッドの映画音楽である場合が多く、昨今のように「誰かの持ち歌」的な要素があまり無いからだろうか。Popsとかではあまりないけど、これが面白い。

①ものすごい数の「名演」がある
Jazzは即興演奏が売り。同じ演奏者でも、回毎に全く違う解釈で演奏する事もしばしば。それが、さらに大勢のプレイヤーの数だけある。ほんと、スタンダードと呼ばれる名曲だと星の数ほどあると言っても過言じゃない。まぁ、録音とかがしっかり残って今の時代まで伝えられてるのは少ないけど、そのぶん本当に名演が多い。
同じ曲なのに人によってこうも違うものか!という楽しみは、なかなか他の音楽では無いと思う。
Polka Dots And Moonbeamsも、いくつもの名演がある。Youtubeで見かけた中で自分が好きな演奏者のをピックアップしてみた。


Glenn Miller(グレン・ミラー)
後から考えると、おそらくこれが歌詞のイメージには一番近いのかな。グレンミラーによるBigBandJazz。



Hampton Hawes(ハンプトン・ホーズ)
なぜか日本ではあんまり評価されてない時代のミゾにはまってしまっている人。シンプルで美しいメロディ回しは素晴らしいし凄く好きだけど、なぜか評価が低い。評論家には受けないから評価されないのではないかと言われている。他の曲でもこの人のプレイは明朗快活なケースが多く、聞きやすい。でも、初期の頃は好きだったけど、最近聞かなくなったなぁ・・・。そう言う事なのだろうか・・・。



Bud Powell(バド・パウエル)
バドパウエルはどっちかというとこの人は「クレオパトラの夢」とかそう言う濃厚な曲のイメージが強いが、こういう曲も良いと思う。ビルエバンスと対極にあるような力強いタッチ。でも、音の余韻が実は凄く綺麗。このコントラストはバド・パウエルならではだなー。




②そもそもVocal曲である事が多い。
元がミュージカル曲が多いため、Jazzのスタンダードは意外と元をたどるとヴォーカル曲であることが多い。ポルカドッツアンドムーンビームスも、自分が知ったのはBill Evansのピアノだったが、後々になってみるとボーカル曲だったことを知った。
こういう出会いが多いため、Jazzスタンダードには面白い現象が起きる。


自分の中では、最初このPolka Dots And Moonbeamsはどこかもの悲しい、今まさに天寿を全うしようとしている老人が過去を思い出しているような、そんなちょっと悲しいイメージだった。ところが、歌詞を見ているとどうもそうでもない。昔を思い返してると言う所は割と当たってるが、単に奥さんとの出会いを思い返しているのろけ話だ。
最初歌詞を見た時はちょっと面食らったが、でも改めて聞いてみると確かにそんな暖かい感じが溢れてくるから不思議。

私だけではなく、Jazzのスタンダードが好きな人はこういう現象にしばしば突き当たる事があるようだ。

こういう意表を突いた出会いがあるので、最近では好きなスタンダードの演奏が出てきても、あえて歌詞を調べることはしないで暫く放っておく事にしている。何年かがかりで楽しめる良い“遊び”だ。

ボーカルバージョンはElla Fitzgeraldのが好きなんだけど、Youtubeには無いっぽいな。


こういう楽しみ方ができるのもJazzならでは。皆さんもよかったら是非!

2010年3月5日金曜日

オーディオ道 ヘッドホン探究の旅 アンプ編

久しぶりにオーディオの話。
7,8年前からあまりスピーカー系のオーディオシステムには触っていない。もっぱらイヤホン・ヘッドホンにシフトした。
現在所有している&これまでに使ってきた器材をリストアップしてみよう。
ほんとはもう少し具体的な「システム構築のコツ」とか「器材選びのコツ」とか「ケーブル選びのコツ」の方が良いんだろうけど、備忘録の意味合いも含めて一応まとめておこうとおもう。
※ケーブル選びとかはほんと重要&面白いので、そのうち書きます。


【Headphone Amp】

[Creative USB Sound Blaster Audigy2 NX USBAGY2N](多分これ系だけど、型番的には一個前かも)
これをヘッドホンアンプと言って良いか微妙だが、一応。SennheiserHD580を導入した後も、基本的にはPCから音を出していたので、最初はまずそのクォリティアップを考えた。そこで選択肢に上がったのがUSBの外付けサウンドカード。

PCサウンドは、どうしても劣悪なPC本体の電源環境に影響を受けてしまい、ノイズが多くなる。また、S/N比などもイマイチ。そこで、USBの普及と共に登場し始めたのがUSBの外付けサウンドカード。
これはなかなか画期的で、サウンドデータはUSBでデジタルアウトしてしまい、実際のD/AコンバートはACアダプタで駆動させた外付けの箱で行うという物。

この結果、PCからダイレクトに電源関係の歪みを広う事は少なくなり、ずいぶん音質が改善した。未だにバカみたいにコンデンサ乗っけた内部サウンドカードもあるけど、やっぱりこっちの方が良いと思う。ま、所詮はPCの音なんだけど・・・。


[Musica HPA100]

このアンプは比較的小さなオーディオ専門メーカー、「ムジカ(Musica」)という会社の製品。ヘッドホンにこり始めた時に最初に導入したヘッドホン専用のアンプ。チョイスするに当たって次ようなことを重視した。

①色づけが少ない素直な音であること
②拡張性があること
③サイズが手頃なこと

今でこそヘッドホンアンプも山のように出てきているが、2003年(頃だと思う)当時はまだ選択肢も今より少なかった。PC系に特化している製品か、スピーカー系オーディオと同じくフルサイズの筐体のものという二極分化していた。海外ではこの頃から割とガレージメーカー系のヘッドホンアンプも多かったけど、特に日本ではね。手に入りやすい物は少なかった。

そんななか、自然と決定したのがこのムジカのHPA100。
あまりゴテゴテした作りにはなっておらず、シンプルそのもの。中開けてもほんとシンプル。そして、ガレージメーカーならではで、購入時(あるいは購入後でも可)に中身のパーツをパーツ単位でアップグレードしたりできた。そのため、本来の中の回路よりだいぶ余裕のある筐体になっており、自分で改造する際にも扱いやすい。

実際の試聴は中野のフジヤエービックでちょろっと聞いて、音的にも問題なかったから速攻これに決めた。このメーカーは未だに精力的に活動しており、こういうガレージメーカー的なメーカーには頑張って欲しいと思う。



[AUDIOTRAK Dr.DAC]
基本的にはちゃんとした音楽を聴く時はCDプレイヤーでならしていたが、一方でPCの便利さも捨てがたく、HPA100&AUDIOANALOGUEのPRIMO(CDプレイヤー)を導入してからも結構Audigyを使っていた。ただ、お世辞にもヘッドホンアンプとしてみると貧弱で、音にもおもしろみが無い。

PCに特化しているが、アンプとしてもそこそこと言う所でたどり着いたのがDr.DACだった。これ、マジメに相当優秀なアンプだと思う。電源周りが貧弱なのでそこに改良の余地があるが、逆に改造してやるとかなりのポテンシャルを秘めている。オペアンプを交換することも想定したソケット形式の作りになっており、「好きに改造しろよ」というメッセージに溢れている。実際、改造してる人も多い。
値段的にも比較的手頃で、最悪改造でおかしな事になってもまぁ、絶望して立ち直れなくなるほどではない。

このアンプ、何が優れているかというと、そのインターフェース。
USB、同軸、オプティカル、RCALineIn等の入力を供え、出力もステレオ×2、RCALineOutを供える。ボリュームが独立してれば最高なんだが、さすがにまでは望むまい。2台のヘッドホン・イヤホンを聞き比べる時とかに非常に便利。

そして、それらを前面のディップスイッチで簡単に切り替えることができる。
またこのアンプ、そもそもDACとしてもなかなか優れており、入力系統が豊富で、LineOutもあるので、デジタルアンプなどと組み合わせるとかなりコンパクトなプリ・パワーの構成にもできる。実際、今スピーカーを鳴らすのにFlyingMoleのデジタルアンプと組み合わせている。

スピーカーの配置やケーブルの取り回しとかが悩ましいが、PCを含めたサウンド環境を全て集約できるのは秀逸。知識がある人は改造などの幅も広く、ほんとこれほど遊べるオーディオ機器はあまり無い。実際、自分も初代Dr.DAC、Dr.DACⅡ、Dr.DACDXと3台所有している。
このアンプの改造に関してはググったらものすごいページがいくつかあるのだが、まあ一応自分なりのモノをまたそのうち書こうと思う。

※Amazonが安いので一応貼っときます。興味がある人は使い方とか聞いて下さい。





[PS Audio GCHA]

最終的にいま着地しているのがPSAudioのGCHA。ミドルエンドクラスのヘッドホンアンプだが、バカみたいに出力を稼ぐ必要がないヘッドホンアンプでは、割とこのあたりで十分なラインに来ていると思う。

アンプというのは当然電圧が高くなればなるほどパーツへの負担も大きく、電気的・音質的な歪みも大きくなりやすくなる。大型スピーカーを鳴らそうと思うと値段がうなぎ登りに高くなっていくのはこのためで、出力とクォリティという相反する要素を高めていかなければならないので、金額ものすごいことになる。

どのぐらい凄い金額になるかというと、自分が実際に接した最高峰のシステムで言えば・・・
AMP:FM Acousticsというスイスのメーカーのモノ。コントロールアンプ×1台、シングルパワーアンプ×2台で500万強ぐらいだったと思う。
Speaker:JBLのK2 S9500(360万ぐらいだったかな)
CDPlayer:ESOTERICのP0s(100万チョイ?)
というシロモノ。当然ジョイントのケーブルもそれ相応のものが求められるので、システム全部を組むと1000万は軽く超えてるはず・・・。
ま、時計しかり、オーディオしかり、ワインしかり、趣味の世界は上を見るときりがないんですけどね。

話を戻してGCHA。前述のように、ヘッドホンアンプは出力の方はさほど気を遣う必要が無く、クォリティの方を高める作業に集中できる。このため、中身に関しては10~15万クラスでもう十分行き着いてくる。後は外箱とかインターフェースとしてUSBやその他広く対応しているか、で値段が変わってきている感じ。

近年アンバランス接続ではなくジャック自体もバランス接続にするのが流行っており、こちらに走ると改造とかの必要も出てくるケースがあるので少しコストかかるが。


GCHAはエネルギッシュな音だが、最終的にメインヘッドホンに決めたULTRASONEのEdition9との相性で決めた。もの凄いエネルギッシュで、解像度も高く、比較的ソースも選ばないので良い組み合わせだと思う。フジヤエービックでもこの組み合わせを推奨していたが、実際良いチョイスだ。

とまあ自分が今の所使ってきたアンプはこんな感じである。万人にお勧めできるのは、なんと言ってもDr.DAC。見た目がNGな人はダメだろうけど、PCとの接続を絡めつつ、デスクトップ周りでオーディオシステムを集約したい場合はまずこれに決まる。予算があればGracedesign M902とかが良いんだけどね。ちと高いからまずはDr.DACかな。

うーむ。長くなってしまったな。
ヘッドホンに関しては10個以上あってもっと長くなるから、分けて書くとしよう・・・。

2010年3月3日水曜日

Amazon

最近ちょっと仕事でAmazonにメーカーとして登録し、商品を出品たりしてみている。
ま、まだ登録作業中で公開はしていないので、それは追って。

しかし、やってみるとAmazonは素晴らしく簡単で、あっという間に登録できる。
出品料も4900円/月がかかるだけで、後は成約後にシステム利用料として10~15%程度取られるだけ。

実際に使ってみると、Wiki同様非常に優れたシステムだと言うことが解る。
同じくネットストアの大手、楽天市場と比較してみると次のような感じか。

Amazon
①登録は超簡単(5分ぐらいで終わる)
②JAN/EANコードを持っている必要がある
③出店にかかる初期費用が安く、マージンもクレジットだのなんだののシステム利用料を考えれば安いと思う
④Amazonの決まったフォーマットに乗る(良くも悪くも)
⑤Lotがでかくなってきたら、アマゾンの翌日配送サービスを利用できるらしい(こちらのシステム利用料はまだ見てない)

楽天(ちょっと古い情報)
①一応担当などがついたりするため、出店が面倒
②ただ、上記の理由でネットの知識が少なくても比較的導入しやすいかも
③出店にかかる費用はアマゾンよりは高め
④HPのデザインなどにオリジナリティを出せる
⑤上記の理由で、良くも悪くも「Webコンテンツ作りの腕の差」が出てしまう

ってな所か。
今回は仕入れ商品を売っているわけではなく、オーディオ関連のメーカーの仕事なので、Amazonを選んだ。メーカーとしてカテゴリに商品を登録できるのは宣伝としても良いと思う。月額最低料金が4,900円でAmazonの検索とかに多少なりとも引っかかってくれるのは悪い話じゃ無い。

ページが基本的にAmazonのフォーマットになってしまうのは一長一短だが、その分こちらのデザインや時間にかけるコストが少ないのは良いと思う。

まぁ、オーディオはマニアックな世界なのでどこまで売れるのかとかは全然謎だが、先行きがちょっと楽しみだ。

2010年3月2日火曜日

Rubbijano 2005


HPの更新が一段落した。
とは言えあんまり長い文章を書く気ががしないので、最近飲んだワインの話。

ルッビヤーノ
ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ 2005年
ジュスティ・ピエールジョヴァンニ



イタリア・マルケ州で使われているラクリマ・ディ・モッロという品種のブドウを使った赤ワイン。ラクリマ・クリスティなのかと思いきや、そういうわけでもないのかな。

そもそも、ラクリマ・クリスティというワインはあんまり見ないけど、香りが芳醇で結構好きなワインが多い。特に外で最初や最後に飲むには丁度良い。

ラクリマ・クリスティを名乗るのに明確な定義があるのかとかよく分からないんだけど、何となく「ヴェスヴィオ周辺のワイン」というイメージ。カンパーニャ州になるのかな。今でこそイタリアワインと言えば中~北部のトスカーナ、ピエモンテあたりが有名だが、古来は南部のヴェスヴィオ周辺が有名だったらしい。やっぱり噴火とかでダメになったのだろうか。

イタリアワインはフランスほどそう言う来歴を記した物が日本に出回ってないので、意外とこういう知識が不足してるかも。
ま、飲んでうまけりゃそれでいいんだが、何となく背景も知ってると違った楽しみがね。

今回のルッビヤーノはラクリマ・ディ・モッロというブドウを使っている。あんまり見たこと無い品種だけど、マルケ州の固有種らしい。

メルロー、カベルネ、ピノあたりが有名だけど、実はワイン用のブドウの品種ってほんと山ほどある。特にフランスみたいに国全体で舵取りしてるのと違って、比較的「土地の物」っていう要素が強いイタリア、ギリシャあたりのワインには、ほんといろんな種類があって、それぞれ個性的で面白い。

フランスワインの洗練された感じが「人間国宝的職人」とすると、イタリアワインは頑固一徹な「下町職人」っていうイメージかなー。一方で、最近精力的に展開している新興ブランドとかは、良質なブドウが育つ土地と最先端の技術で驚くべきワインとかをリリースしている。歴史ありつつもフランスほど封建的じゃないからか、そういうたぐいに驚くべき良いワインが多い。ビービー・グラーツのテスタマッタとかはほんと超絶的バランスでうまいので、機会があれば是非飲んでみて頂きたい。


話を戻してルッビヤーノ。

2005年以外のビンテージは飲んだことがない初もの。
香り。相当フローラル。こりゃ凄い。特にラベンダーのような花の香りが心地いい。少しスパイス系の香りもあるかな。ちょっと強すぎるかな、と言う気もするが、「そう言うワイン」と割り切るとバランスは良い。
味。思ったよりもしっかりしている。何だろう。中々独特な味。でも、香りとのバランスもよく、結構「進む」ワインだ。料理と合わせると言うより、これ単体とサラミやハムをつまみながら、と言うのが似合うかな。
時間と共に香りのバランスも如実に変わってくるので、休日に香りを楽しみながらゆっくり映画でも見つつ楽しみたい、そんな感じか。


取り扱いが少ない希少ワインみたいだけど、値段も比較的手頃なので、香りワインが好きな人にはオススメ。意外とこれ気に入ったので、自分もセラーストックワインになってしまった。

そういえばこんなものやっていたな。。。

 色々アカウントを整理していたら、大昔のBlogを発見。(止まってたけど) 色々実験的にやってみていたものだが、まぁ、読み返してみるとそれなりに懐かしくもあり、面白くもあり。 そして、Analyticsなどを見ると、意外といろいろな人に見られているというのもあり。 オーディオやら...